技能実習生の皆さんには、日本の技能実習制度を理解し、この制度を上手く活用していただくために、下記のように制度及び当協会の役割を説明します。
技能実習制度概要
開発途上国等には、経済発展・産業振興の担い手となる人材の育成を行うために、先進国の進んだ技能・技術・知識(以下「技能等」という。)を修得させようとするニーズがあります。我が国では、このニーズに応えるため、諸外国の青壮年労働者を一定期間産業界に受け入れて、産業上の技能等を修得してもらう「外国人技能実習制度」という仕組みがあります。
この制度は、技能実習生へ技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材育成を目的としたもので、我が国の国際協力・国際貢献の重要な一翼を担っています。
「外国人技能実習制度」の利用によって、以下に役立ててもらうことにしています。
- 技能実習生は、修得技能と帰国後の能力発揮により、自身の職業生活の向上や産業・企業の発展に貢献
- 技能実習生は、母国において、修得した能力やノウハウを発揮し、品質管理、労働慣行、コスト意識等、事業活動の改善や生産向上に貢献
- 我が国の実習実施機関等にとっては、外国企業との関係強化、経営の国際化、社内の活性化、生産に貢献
JITCO(公益財団法人 国際研修協力機構)HPより
簡単に言うと、技能実習制度は日本の進んだ技能・技術・知識を修得して、将来母国の発展に貢献するための制度です。ですので、技能実習生は企業の人手不足のための単なる労働者ではありません。
技能実習生受け入れの流れ
- 送り出し機関にて制度の説明・申し込み
- 監理団体、または受け入れ企業との面接
- 送り出し機関での教育(約3ヶ月)
- 日本の在留資格認定手続き
- ビザ取得・入国
- 監理団体での講習(約1ヶ月)
- 宿舎に入居
- 企業にて1号の技能実習(1年目)開始
- 技能実習2号への試験の準備(3年制対象者)
- 技能実習2号移行試験
- 2号の技能実習 開始
受け入れに関して、技能実習生に対する各機関の義務
1.受け入れ企業
受入企業において必要なスタッフは以下の通り
- 生活指導員
工場において技能を除く、実習生に係わる全般(日常生活指導、賃金、労働時間等)の管理を担う。 - 技能実習指導員
技能実習指導員の資格要件は、技能実習生が修得する技能について、5年以上の経験を有する者と定められている。技能実習生が勤務されている全ての時間帯は技能を指導できる社員が勤務している必要がある。 - 管理者
技能実習制度が円滑にかつ適正に実施できるよう管理監督を担う。
2.監理団体
監理団体は、毎月最低1回、職員が工場を訪問し指導を行わなければなりません。
また、3か月に1回監理団体の役員が訪問し、指導並びに監査を行わなければなりません。
3.受け入れ準備
技能実習生の受け入れに際して、予め手配するものは以下の通り(JITCO・入国管理局のデータを参考にしたもの)
- 宿舎
・部屋の広さ:
原則1部屋につき2名以下かつ一人当たりの面積は3畳以上。
・宿舎費および光熱費:
初期費用は受入企業が負担する。実費を超えた宿舎費・光熱費の控除は不可。
・ルール/規則:
近隣のトラブル等を防ぐため、ごみ捨てルールをはじめ、生活習慣に関することは配属前の講習期間中に勉強させることが望ましい。 - 備品関係
・宿舎:
受入企業が手配する備品:TV、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、電子レンジ、炊飯器、照明、ベッド、布団、テーブル、椅子、炊事用具(フライパンなど)、食器、掃除道具。。。
・業務:
ユニホーム、靴、ロッカー、社員証(タイムカード)、入社書類、入社時必要な各種検査(健康診断など) - その他
送迎バス、銀行口座の開設、転入届、入社時のオリエンテーションなどが挙げられます。
受け入れ後の管理
(JITCO・入国管理局のデータを参考にしたもの)
1.実習、賃金関係
- 技能実習記録はきちんと作成されているか
- 労働基準法を守っているか
- 雇用条件通りの賃金支給を行っているか
- 36協定は守っているか
- 36協定違反者は入管へ報告しているか
- 実習生間で労働時間、賃金等に格差がないか
- 最低賃金を下回っていないか
- 必須作業は決めた割合で行っているか
- 申請と別の工場で実施していないか
- 就業規則等を守っているか
2.宿舎関係
- 室内は整理整頓され、清潔に保たれるか
- 同居人とのトラブルがないか
- 無断外泊ないし部外者を泊めることがないか
- ゴミ捨てや生活はルール通りなされているか
3.外出関係
- 外出の際は必ず在留カードを携帯しているか
- 自転車を拾って乗っていないか
- 他人の物を勝手に使用していないか
- ゴミ捨て場から物を拾ってないか
- ギャンブル(パチンコ等)を行っていないか
- 他でアルバイトをしていないか
4.生活全般
- お金の無駄使いはないか
- 同僚からの借金はないか
- 日本語を継続的に勉強しているか
- 病気や怪我を我慢していないか
5.公平な扱い
- 実習生間で、労働時間、賃金、態度など、不公平な扱いがないか
- 日本人と同じ作業する場合、同じ賃金を支給しているか
当協会の役割
上記のように技能実習制度において、監理団体並びに受入れ企業は技能実習生のすべて(生活・仕事)を管理、サポートする義務があります。技能実習生も決められた規則に沿って実習しなければなりません。
しかし、技能実習生と監理団体の間、技能実習生と受入企業の間、或いは監理団体と受入企業の間に、誤解、不明点、ルール違反等の不正行為につながる要素が発生すると、技能実習制度に係る全ての業務が停止する可能性があります。
そのために、当協会は技能実習生、監理団体、受入企業の間に入って、技能実習制度がスムーズに行われるために活動しています。
お問い合わせ
技能実習生の皆さんは来日したばかりで、分からないことが多く、直接管理している監理団体や受入企業に発信できないこともあると思っています。
生活のことや仕事のことを相談したい、また聞きたいことがありましたら、私たちに声をおかけください。
お問い合わせページは、日本語だけではなく、ベトナム語、英語、中国語も対応します。ご安心ください。